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おかえり、ただいま



おとまり 8がつ 26にち くもり


あした、おじさんのところにおとまり行く。

おじさんのいえはずっととおい。

しんかんせんとでんしゃとバスで行く。

おとうさんのおそいおぼんやすみだ。


でかけるまえにひろにいちゃんところに行けるかな?

いってきますをしなきゃだし。


おとうさん、おかあさんは、バッグにおきがえを入れている。

おかあさんのバッグは、とくにパンパンにふくらんでおもそう。

おとうさんがそのバッグを見ながらわらいだす。


おじさんのいえは山の中。

まえにいったときとかわってないはず。


ふと、へびがはいすいのみぞにいたのを思い出してしまった。

へびはちょっとこわい。


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留守 8月27日 曇り


朝早く、外で話し声がしているのに気がついた。

ぼくは声のする方にに近い窓により、下を見る。

ちーたち一家がいた。


ちーは白のワンピース。

「よそ行き」の時に見かける服だ。

お出かけする所だったのだ。

どこに行くのだろうか疑問にも思ったけれど、

朝の早い出発だから、すぐに帰ってくるんだろうとも思った。

ぼくは両親にと手をつないで次第に遠ざかってくるちーの姿を、

路地の曲がり角が隠してしまうまで見ていた。


昼間、アイスを一人で買いに行った。

クマゼミはもういない。

だからスローモーションの歩きもしない。

目的のアイスを買うとすぐに家に帰る。


アイスは固まってはいたけれど、やっぱり溶けかかっていた。

皿にのせて食べる。

いつもと違って、アイスの冷たさが酷く口の中に染みた。


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あかちゃん 8がつ27にち あめ

きょうはおじさんのいえにおとまりの日。

あさはやくからのしゅっぱつで、ひろおにいちゃんにあえなかった。

「いってきます」がいえなかった。

おじさんのいえのちかくはあめがふっていた。


おきにいりの白のワンピースをきてのおでかけだけど、あまりうれしくない。


でも、おじさんのいえに行くと、そのきもちがふきとぶ。

あかちゃんがいる。

おじさんとおばさんのあかちゃん。


あかちゃんはくろいかみがふっさり生えていた。

かおもからだも、どこも小さい。

てのゆびが、みみかきのえみたいでほそく、少しの力でおれそう。

でも力はつよくて、ひとさしゆびをちかづけるとぎゅっとにぎられた。

目があうとにっとわらってくれた。

とてもかわいい。L

にぎられてない方のてで、あたまをなでてみた。


ああ、これっておにいちゃんがわたしによくすること。

それをこんどは、わたしがあかちゃんにしている。


どこかすっぱい、なんともいえないにおいがする。

「ミルクのにおいよ。」とおかあさんがおしえてくれた。


あかちゃんはミルクのにおい。


だったらひろにいちゃんのにおいもあかちゃんのときはミルクのにおい?

わたしもミルクのにおいがしてた?

まだしているのかな、ミルクのにおい。


今のおにいちゃんからミルクのにおいはしない。


わたしっておにいちゃんから見たらあかちゃん?

だからあたまをなでられる?


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宿題 8月28日 晴れ


昨日、ちーたちは帰らなかった。


今日も朝から暑かった。

9時をすぎると迷うことなくクーラーを付けた。

夏休みも終わり近く。

まだ残してある宿題にとりかかった。


今日やったのは漢字の書き取り、読み取りの問題。

すぐにできる、楽勝だと思っていた。

けれど、集中力がぶつりと切れてしまい、

気がつくと、ちー家の方に神経が集中していて、プリントはなかなか進まない。


夕方をすぎ、夜になっても、ちーの家は明かりが消えたままだった。

しんとしたまま変わらない家の様子にため息をつく。

留守にするなら、一言行ってからでもいいんじゃないかと、

ぼくはいらついた。


思ったよりも宿題は、はかどらない。

ぼくは入れてもらったまま、手をつけていなかった麦茶を飲む。


なまぬるくなった麦茶は、とてもまずい。



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